野鳥撮影におけるZ9のインプレッション(1/2)

ご無沙汰しております。

間が空いてしまいましたが、私は幸いコロナにもかからず元気にしております。

 

注文していたZ9ですが、発売後3か月近く経ってようやく私の元にも届きました。

約1か月程度、いろいろシチュエーションを変えつつ試すことができたので、「野鳥の動体撮影」という観点でインプレッションをまとめてみたいと思います。

 

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(▲ Z9+ 500mm F4 FL ED VR f/5.6 1/1600 sec ISO-500)

 

まあ、すでに多くのプロ・セミプロ・ハイアマの方がインプレッションを上げていらっしゃいますので、あまり参考にならないと思いますw

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(▲ Z9+ 500mm F4 FL ED VR f/5.6 1/2000 sec ISO-200)

 

でも、MFで撮れてしまうような達人さんではなくて、折角オオタカが枝にとまっているの見つけても、「まだ飛ばんやろ~」ってボケっと携帯いじってるうちに飛ばれるようなド素人・ヘタクソ目線ではどうなのか、というのを纏めておけばこれから購入を検討される方にも少しでも参考になるかと思った次第です。

(なお、比較対象はこれまで使っていたD850です)

 

1. 総評

結論、D一桁機の性能とD850の描写力を合わせた良いとこどりのカメラ、というのは紛れもない事実だと思いました。

 

特に被写体認識のおかげでこれまでレフが苦手としていたY軸方向の移動、つまりこちらに向かってくる動体にかなり強くなっていると思います。

その点では、猛禽狙いで日に何度あるかわからない大チャンスに必ず答えてくれる、という点で大いに頼りになるカメラです。

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(▲ Z9+ 500mm F4 FL ED VR f/5.6 1/2000 sec ISO-500)

 

加えて、ミラーレスになりブラックアウトフリーのEVFと、圧倒的な連射性能で撮り逃しがなくなったことも大きいです。

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(▲ Z9+ 500mm F4 FL ED VR f/5.6 1/1250 sec ISO-500)

 

また、ミラーショックがなくなったことで余計なブレが減らせること、シャッター音が無音になったことで、鳥に警戒されづらくなったことも大きいと思います

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(▲ Z9+ 500mm F4 FL ED VR f/4 1/160 sec ISO-500 手持ち)

このメリットは暗い林床で囀る夏鳥で生きると思うので、夏シーズンが楽しみですね。

 

一方で、メカから電子制御になっているせいか、癖が強くレフでは撮れた場面が撮りづらくなっているのも事実だと思います。

具体的には、以下の点が私が苦労しているところです

  • 遠くを飛翔する被写体の補足力(MFによる微妙なサポートが必要)
  • 背景が近いor背景がごちゃごちゃした中にいる被写体に対する補足力
    (ワイドエリアでは食わないのはもちろん、一点に近い設定でもレフほど思うように食わず、MFのサポートが必要、でもちょこまか動く小鳥はMFでサポートしている間にいなくなってしまう)
  • 空抜けに対する挙動
    (ピンが食わない、デフォーカスすると完全に目印がなくなるので鳥がどこにいるかわからず、ファインダーで追うことすら困難になる)
  • EVFの微妙な挙動
    EVF上で合焦しているように見えても、撮影してみるとピンボケだったりする)

 

2. オートフォーカス性能

オートフォーカス性能は以下の2軸で評価したいと思います

 

XYZ軸方向に対する動体に対する...
- X軸:撮影者に対し平行に動く動体
- Y軸:撮影者側に向かってくる動体
- Z軸:上下方向に動く動体(ミサゴやカツオドリのダイブのイメージ)

  • ① ...動体に対する捕捉力
  • ② ...捕捉後の追従力

2-1 X軸方向に動く動体

ある程度近ければ、レフ機同等以上の捕捉力だと思います。

一方で、総評項でも書いたように、遠い被写体はMFのサポートがないと捕捉しづらいかな、という感じです

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(▲ Z9+ 500mm F4 FL ED VR f/5.6 1/1600 sec ISO-500)

土手下を平行に飛んできたコミミズクですが、100m近く離れたところはワイドエリアでは全然食いませんでした。MFで一度手前に寄せてから食わせるか、ダイナミックAF(S)orシングルポイントにしないと厳しいですね。

 

同様に枝どまりの鳥についても癖が強いように感じました。

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(▲ Z9+ 500mm F5.6 E PF ED VR f/5.6 1/1600 sec ISO-500 手持ち)

背景すっきりとした枝に出たキクイタダキ。レフ機なら大チャンスのはずですが、Z9だと食うまでに少し時間がかかり、MFアシストで何とか撮影しました。

夏鳥はキクと比べてのんびりしているので何とかなりそうかとは思いつつ、AFエリアを狭くしてこういう枝どまりに対する捕捉力を少し工夫したいところです。

 

一方で、被写体認識のおかげで、レフがデフォーカスしがちな背景と同系色の横移動に関しては確りと追ってくれます。

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(▲ Z9+ 500mm F4 FL ED VR f/5.6 1/1250 sec ISO-500)

レフ機にとっては鬼門の葦原バックのハイイロチュウヒもこの通り。

 

おそらく、遠目のところでMFアシストor狭いAFポイントでゆるく食わせておいて、近づいてきたタイミングでワイドエリアで被写体認識させて連写、という使い方がベストなのかなと。撮影者側のテクニックが必要ですね。

 

2-2 Y軸方向に動く動体

レフ機と比べて圧倒的に強くなったのはこちら。特に背景ありの箇所でのこちらに向かって飛翔する鳥に対する捕捉力・追従力は段違いにパワーアップした印象です
(D850と比べて)

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(▲ Z9+ 500mm F4 FL ED VR f/5.6 1/2000 sec ISO-200)

空抜けの電柱の上からこちらに向かって飛び出したハヤブサ(亜種オオハヤブサ)。

空抜けから背景ありのところに移るタイミングは大体レフだと背景にもっていかれますが、Z9は被写体認識のおかげか、一度ピンが甘くなってもすぐに復帰してくれます

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(▲ Z9+ 500mm F4 FL ED VR f/5.6 1/2000 sec ISO-500)

 

ハイタカを見つけてスクランブル発進したハヤブサ(亜種オオハヤブサ)。

車内からのかなり無理な姿勢での手持ちでもファインダーに入れば何とか捕捉、追従してくれます。(※周囲を確認のうえ、エンジンを切って撮影しています)

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(▲ Z9+ 500mm F4 FL ED VR f/5.6 1/1000 sec ISO-500 手持ち)

 

連写性能と合わせれば着陸直前の尾羽を広げた姿も余裕。

こちらに向かってくるところでピンさえ食わせておけば、あとはカメラが撮らせてくれますw

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(▲ Z9+ 500mm F4 FL ED VR f/5.6 1/2000 sec ISO-500)

 

曇天で光量が稼げない日でもちゃんと食いついてくれます。

やはり正面方向への飛翔が野鳥の動体撮影で燃える瞬間の一つ(個人的意見)なので、しっかりカメラが捉えてくれるのはとてもうれしいものですね。

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(▲ Z9+ 500mm F4 FL ED VR f/5.6 1/1600 sec ISO-500)

 

2-3 Z軸方向に動く動体

こちらはあまり試せていません。この時期にZ軸方向の動きを試すなら手ごろなのはカワセミだと思いますが、小さいカワセミを追える気がしないヘタクソなのでw

カワセミ屋さんの見解を伺いたいです。


まあ、とはいえ試せた範囲でいうと、ホバリングで獲物を探すコミミズクのダイブは確り追従しますので、被写体認識が食えばある程度の歩留まりは確保できそうです。

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(▲ Z9+ 500mm F4 FL ED VR f/5.6 1/1600 sec ISO-500)

 

秒7コマのD850だとこういう瞬間は大体抜けている(ホバリングの次のコマは着地)

ので、そういう意味でもZ9のパワーアップは感じます。

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(▲ Z9+ 500mm F4 FL ED VR f/5.6 1/1600 sec ISO-500)

 

そのまま土手に突っ込むところまでパラパラ漫画で追ってくれます。

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(▲ Z9+ 500mm F4 FL ED VR f/5.6 1/1600 sec ISO-500)

 

とりあえず、こんなところで。

その他気づいたことと、現状の私の設定を次回まとめておこうかと思います。

 

過疎ブログなのでどれくらい見てくださっている方がいるかはわかりませんが、見てくださっているZ9ユーザーの方はぜひ使用感をコメントしていってくださいね。

 

いきなり長文になってしまい、すみません。

それでは~

 

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